フレキシブル基板に補強板を使用せずに微小チップ及びBGA等IC部品を実装したい
医療機器製品や精密機器製品ではフレキシブル基板が多く使用されます。フレキシブル基板は、柔軟性があり大きく変形させることが可能なため、空間的制約あるカメラ内の配線や可動部品への配線等、曲げる必要がある箇所に必須です。ただし、フレキ部分への部品実装には補強板を用いることが一般的で、補強板によりフレキ部の柔軟性が失われるため、製品構成を満足できなくなることが課題です。
この課題を解決するため、当社では補強板を用いない薄型フレキシブル基板への微小チップ及びBGA等IC実装を行っています。その実装検証した事例を紹介します。
実装検証に用いたフレキシブル基板の仕様は、フレキ部の厚みが約0.1㎜の両面基板で、0402チップ部品と0.4㎜ピッチBGA部品で検証しました。
補強板を用いずフレキシブル基板に部品を実装する際の懸念点は3点あり、①安定した部品実装が可能か、②リフローにて数回熱を加えた際のフレキ材質への影響、③部品、はんだへのストレスが挙げられます。
①・②に関しては、実装時にフレキ部のたわみが発生しないように、フレキシブル基板を集合基板のシート状とする、実装搬送キャリア・特殊開口を用いた抑えプレートを使用することで、安定した実装を実現しました。また、温度プロファイルは基本的には当社の基本プロファイルで実装可能でしたが、抑えプレートの特殊開口と実装する部品の兼ね合いで、生産検証段階で実装状況に適した検証が必要となることがわかりました。
次に、③に関しては、フレキシブル基板はR形状部への配置も柔軟に対応できますが、部品・はんだには継続的過度のストレスを与えない配置が必要となります。例えば、R形状に沿わないフラットな位置へ配置する事ではんだ部への負荷が大幅に軽減できます。
お客様の製品用途やフレキシブル基板の仕様条件によって、実現が難しい場合がございます。配置設計から実装までの最良状態をご提案させて頂きますので、仕様がお決まりになりましたら、ご相談ください。
補強板なしでフレキシブル基板に微小部品の実装を実現
補強板を用いないフレキシブル基板への微小部品の実装工法を検証しました。実装搬送キャリア・特殊開口を用いた抑えプレートを使用することで安定した実装を実現できました。お客様の製品用途やフレキシブル基板の仕様によって実現が難しい場合があるため、事前に仕様の確認が必要です。