電子事業部 -事例紹介-

CT機能付きX線装置による底面電極部品の品質保証

課題

BGA・LGAなどの底面電極部品のはんだ接合部の品質保証は、X線二次元での撮像、観察では難しい。

BGAやLGAに代表される底面電極部品のはんだ接合部は、外観検査装置(AOI)では確認できないため、通常はX線透視装置による非破壊検査が行われます。しかし、部品の大型化や基板の両面実装が進むなかで、二次元画像では裏面部品の影響を排除できず、はんだの未溶融やボイドの定量評価など、正確な品質判断が困難になるケースが増えています。従来のX線検査の限界を克服することが、新たな品質保証の課題となっています。

当社のご提案

CT機能付きX線装置による三次元検査の導入

当社では、底面電極部品の実装品質を正確に把握するため、110kV高出力X線管を搭載したCT機能付きX線透視装置を導入しています。この装置は、X線二次元撮像では困難だった立体構造の把握を可能にし、裏面部品の影響を受けずに検査対象を撮像できます。

従来のX線透視では、観察対象の前後に配置された部品が重なり、視認性が低下する課題がありました。また、X線が透過しにくい厚物部品や材料の影響、撮像方向に依存した画像誤差、さらにはボイドの上下位置による誤認など、解析には高度なスキルが求められていました。

CT撮像により、こうした二次元撮像の限界を補い、接合部の空洞、未溶融、濡れ不良といった内部異常を三次元的に視認することが可能になります。また、部品レイアウトに左右されない観察条件の柔軟性も得られ、実装基板の高密度化が進んでも安定した評価が可能です。

CT撮像による高精度な底面電極部品検査の実現

当社では、X線透視装置に搭載されたCT機能を使って、製品の内部を3Dで撮影する技術を活用しています。これにより、検査が難しかった底面電極部品において、以下のような不具合を高精度かつ簡単に検出できるようになりました。

  ・電極間のショート

  ・はんだBallの濡れ不良

  ・はんだBallの未溶融

  ・ボイド面積率 大

この技術により、信頼性の高い検査が実現できています。

結果

X線CTによる非破壊・非接触の三次元検査で信頼性を向上

当社では、CT機能付きX線透視装置を活用し、底面電極部品のはんだ接合部を裏面部品の影響を受けることなく、三次元的に撮像・検査しています。最大基板サイズ250㎜×330㎜、幾何学倍率最大500倍まで対応可能で、熟練者のスキルに依存しない定量的な検査を実現。非破壊・非接触で信頼性の高い品質保証体制を構築しています。

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